「ディエッサー」音響専門学校で勉強した音楽用語68
ディエッサー(Deesser)
ボーカルの歯擦音(しさつおん)を抑えるエフェクター、プラグインのことをいいます。
サ行やザ行の「さ・し・す・せ・そ」「ざ・じ・ず・ぜ・ぞ」の発音の時、発生する瞬間に強い息が出ます。
この耳障りな音を歯擦音といいます。
その他にも「ち」や「つ」も歯擦音が出ます。
「き」や「く」、カ行も弱いですが出ます。
ディエッサーはボーカルの歯擦音を抑えることに特化していて、4kHz~15kHzあたりの周波数帯域にコンプをかけてくれます。
歌い手さんによって歯擦音が出る帯域は違います。
マルチバンドコンプやダイナミックEQでも、まったく同じ効果を得ることができますが、歯擦音を抑えるときは専用プラグインとしてやはり、ディエッサーを使った方が扱いやすいです。
ボーカル以外の楽器にも使用する人はたくさんいます。
シンバルなど金物系の耳に痛い周波数帯域や、ギターのカッティングの耳に痛い周波数帯域などを抑える効果もあります。
もともとはボーカルの歯擦音を抑える専用のエフェクターでしたが、耳障りな音を抑えるエフェクターという考えでも良いと思います。
ディエッサーの上手な使い方
歯擦音は目立つと耳に引っかかり気になって、せっかくの歌が台無しになってしまいます。
かといって歯擦音の部分を取りすぎると、母音だけになり言葉の聴こえ方が変わってきます。
最終的には必ず耳で聴いて判断する必要があります。
ディエッサーにはシンプルなものから、リアルタイムで波形を見ながら調整するものなど、いろんなタイプがあります。
<波形で見るタイプ>
リアルタイムで確認しながら調整できるものは、どこにかかっているのかがとてもわかりやすく安心して調整ができます。
ディエッサー効果があったところの色が変わり目で見て効果がわかります。
かかりすぎのチェックもしやすいです。
<シンプルなタイプ>
昔からあるディエッサーはシンプルで、周波数帯域とスレッショルドとQの形を決めて調整していきます。
設定の仕方は、歌い手さんによって帯域が変わってくるので、周波数が確認できるアナライザーで、歯擦音の時に反応する帯域をディエッサーに設定して耳で確認しながら調整していきます。
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