「レスリー・スピーカー」音響専門学校で勉強した音楽用語106
レスリー・スピーカー(Leslie speaker)
ドップラー効果を使って音にビブラート効果をつける、特殊なスピーカーのことをいいます。
「ロータリー・スピーカー」ともいいます。
ドン・レスリーが開発したレスリー・スピーカーは、主にハモンドオルガンに使われていました。
ハモンドオルガンのあの独特な揺れは、レスリー・スピーカーによって作られています。
ディープ・パープルをはじめ、スピード感のあるハモンドオルガンをロックサウンドに積極的に取り入れるミュージシャンがたくさんいました。
オルガンだけではなく、エリック・クラプトンやジョージ・ハリスンなど、ギターにもレスリー・スピーカーを取り入れるギタリストも出てきました。
レスリー・スピーカーのしくみ
「ドップラー効果」という言葉はみなさん聞いたことがあると思います。
有名な例えが救急車が近づいて来る時の音が、通り過ぎると音程が低くなると言う現象です。
近づいてくる音は高く聴こえて、遠ざかる音は低く聴こえる。
この効果を使って音を出すスピーカーが、レスリー・スピーカーです。
構造は「ホーンローター」というメガホンみたいなものが上に付いています。
これが音を通す時に回転することによって、近づく音と遠ざかる音を作ります。
ホーンローターで高域の音を揺らします。
同じく「ドラムローター」という筒になっているものが下に付いていて、同じ原理で低音を揺らします。
この微妙ば音の揺れがコーラス効果を作って独特な音色になります。
音の出すしくみは電子的ではなく、物理的な方法で
現在でもレスリー・スピーカーは作られています。
デジタルでシュミレート
なかなかレスリー・スピーカーからちゃんと録音するという機会は少ないと思いますが、コンパクトエフェクターやプラグインソフトでシミュレートできるものもあります。
シミュレーションの機材で音作りする時は、レスリー・スピーカーのしくみを知っているかいないかで全然違うと思うので、音の出るしくみはしっかり覚えておきたいです。
レスリー・スピーカーを使った名曲
レスリー・スピーカーでハモンドオルガンを取り入れた有名な曲で、プロコル・ハルムの「青い影」という曲があります。
一度は耳にしたことがある名曲だと思いますが、後半の盛り上がってくるあたりからレスリー・スピーカーの効果がよくわかります。
他にも有名な曲は、アニマルズの「朝日のあたる家」です。
こちらの曲も一度は耳にしたことのあると思う曲で、ハモンドオルガンが中心に楽曲がマイナー調でできています。
そして、これぞロックハモンドオルガンというイメージの曲が、ディープパープルの「紫の炎」です。
ギターに対抗して、ジョン・ロードのオルガンの主張がソロに込められています。
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