「ローインターバルリミット」音響専門学校で勉強した音楽用語125
ローインターバルリミット(Low Interval Limit)
低い音域で和音を鳴らしたとき、響きが濁(にご)ることなく和音として聴こえる最低音のことをいいます。
この値は和音の構成によって変わってきます。
そして音色によっても変わってきます。
不協和音ではなく協和音なのに、音域の低いところでは濁って和音の認識ができなくなります。
ポップスなどの楽曲をスッキリ聴かせて、歌を活かすようなジャンルは、このローインターバルリミットの設定を考えてアレンジすると、より良いミックスができます。
そして、ジャンルによっては認識できない低域の和音、ローインターバルリミット以下の和音を活かす場合もあります。
グランジやメタルなど、濁った和音が低域を支えているという楽曲もあります。
ローインターバルリミットとミックスとアレンジ
上記で書いたようにローインターバルリミットは、DTMではミックスに影響することで、アレンジにも関わってきます。
よくピアノの和音を低い音域で作ってしまう人がいます。
この状態で最終ミックスに向かうと、EQでごまかすしかなくなります。
そうならないようにアレンジ段階で、ボイシング(音の構成、並び方)をしっかり定めないといけません。
ミックスの時に、このローインターバルリミットを意識してアレンジしているかというのは大切になってきます。
転回形で解決
和音によってローインターバルリミットの値が高い音域にくる和音と、低い音域にくる和音があります。
和音の中で不協和音程が入ってくるボイシングはローインターバルリミットが高くなってしまいます。
2つの音の和音で考えると、一番ローインターバルリミットが低いところまで持っていける音が「完全5度」なので、ギターのパワーコードは、低い音域でも安定してバッキングによく使われるということです。
まとめると、2度や7度の不協和音程は低い音域に差し掛かると和音が濁ってしまい、完全5度だと、低い音域にいっても和音が認識できるということです。
ベースでも完全5度なら和音として認識されるということです。
そして、不協和音程の音を考えて転回形✳︎の和音を作れば、スッキリ解決することがあります。
この辺りを意識しながらアレンジできるようになると、ミックスも考えたワンランク上のアレンジができるようになります。
✳︎転回形・・・和音のボイシングのいろいろなパターンのことです。
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