「FX」音響専門学校で勉強した音楽用語164
FX(エフエックス)
エフェクトと同じ意味を持ちます。
外部のエフェクター(アウトボード)をミキサー(卓)につないでエフェクトをかける場合、AUX端子とチャンネルを使ってセンドリターンで効果をつけています。
ミキサーにはエフェクターが内蔵されているものもあり、FXと表記されフェーダーやつまみを使って調整します。
Effects(エフェクツ)の響きに似ていることから、略語としてFX(エフエックス)と表記されるようになりました。
ミキサーのFX
ミキサー内でエフェクトをかける場合、基本的にセンドリターンで効果をつけます。
方法はアウトボードを使ってかけるか、内蔵のエフェクターを使うかです。
<AUX>
AUXとは、「補助」や「予備」などの意味を持つ「auxiliary」(オグジリアリ)の頭文字で、「エーユーエックス」や「オックス」とよばれます。
意味の通り予備の端子でここを使って、モニターに信号を送ったり、アウトボードからセンドリターンでエフェクト効果を作ることのできる端子です。
<FX>
エフェクター内蔵のミキサーはたくさんありますが、エフェクトを調整するフェーダーも、エフェクトをかける各チャンネルのつまみもすべてFXと表記されています。
ミキサーに内蔵されているエフェクトは、いろんなタイプのリバーブが多いですが、コーラス、フランジャーなども入っています。
設定したエフェクトを各チャンネルでFXのつまみを使って、かかる量を調整していきます。
内蔵のコンプは単体になって調整できる場合があります。
音源ソフトのFX
音源ソフトを使っていても、「FX」は出てきます。
ミキサーと同じように、音源ソフト内でかけるエフェクトを「FX1」「FX2」という表記にして、それぞれにエフェクトを設定して、かかり具合を調整していきます。
トラックに自分の好きなプラグインでエフェクト効果をつけたい時は、「FX1」「FX2」をミュートして音源ソフトの後ろにインサートします。
パラデータでエフェクトを切って書き出さないといけない時は、音源ソフト内のFXもミュートしなければいけないので注意が必要です。
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「iLok」音響専門学校で勉強した音楽用語163
iLok(アイロック)
DAWやプラグインなどのソフトを、使用できるようライセンスを管理するもののことをいいます。
実機のハードウェアとは違い、DTMでソフトを使用する場合にはライセンスが必要になります。
iLokは長きにわたってライセンス管理をしてきたので、世の中にiLokが必要なソフトがたくさんあります。
基本はUSBのiLokキーにライセンスデータを記録していきますが、パソコン本体やクラウド上で管理できるものもあります。
iLokキー
基本的にはiLokキーというUSBにライセンスデータを記録していきます。
USBといっても普通のUSBメモリーではなく、ライセンスデータだけ記録できる専用のUSBメモリーです。
そのiLokキーがないと使えないソフトがたくさんありますが、他のパソコンにソフトがインストールされていれば、iLokキーを入れ替えるだけでソフトを使用することができます。
iLokキーの初期は、大きくて少しオモチャっぽさもあり、ノートパソコンで使用するときは安定性も悪かったです。
「iLok 2」になってUSBメモリーのように小さくなり、とても扱いやすくなりました。
現在「iLok 3」になってさらに小さくなり重厚感もあります。
iLok License Manager
iLokの管理をするにはiLokのIDを作って、「iLok License Manager」というアプリが必要です。
iLok License Managerを使って「iLokキー」「iLokクラウド」「パソコン本体」にライセンスデータを記録します。
どのデバイスにライセンスを記録するかは、ソフトによって変わってきます。
そして、ソフトによってライセンスの取得方法が少し違ったり、ほとんどが英語のサイトからiLokにライセンスの情報を送らなくてはいけないので、DTMはじめたばかりの人は、ここでつまずいてしまうと思います。
iLokの保険「Zero Downtime」
iLokが壊れてしまうと、アメリカの本社に送り戻ってくるまで約2週間かかります。
その間はライセンスが必要なソフトは使えません。
作業途中で締め切り前だと、一瞬で絶望的な状況になってしまいます。
そんなときのためにiLokには「Zero Downtime」という保険があります。
予備のiLokキーを用意して、そのキーで臨時的にライセンスを使えるようにしてくれます。
年間30$になっているので、音楽を仕事にしていて、iLokなしでは作業できない方にオススメです。
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「ゲインリダクション」音響専門学校で勉強した音楽用語162
ゲインリダクション(Gain Reduction)
ダイナミクス系のエフェクターに付いている、かかり具合をチェックするメーターのことをいいます。
主に「コンプレッサー」「マキシマイザー」「ディエッサー」に関わってきます。
「リダクション」の意味が「縮小」「削減」という意味の通り、エフェクトによってどれだけ音圧を押さえたかという動きをします。
エフェクトのかかり具合を目で見てチェックできるので、とても分かりやすいです。
ゲインリダクションの活用方法
ゲインリダクションのスイッチは「GR」と表記され、入力の音圧「IN」と出力の音圧「OUT」のスイッチを切り替えて、メーターをチェックできるものが多いです。
基本的にゲインリダクションの反応を見ながらかかり具合を設定して、入力と出力の音圧をだいたい揃えるというのが、ダイナミクス系のかけ方です。
もちろん極端にかけて効果を作る場合もあります。
「-6dB」が約半分の音圧になるので、それを基準にメーターを見ると音圧がどのように押さえられているかが判断できます。
楽器や音色によって異なってきますが、コンプなどナチュラルにかけたいなら、ゲインリダクションをだいたい「-2dB 〜 -4dB」くらいにして「-6dB」は越えないようにしています。
マスターでマキシマイザーを使用する場合は特にゲインリダクションは、どこで音を潰しているか把握でき、最終の音質を良くする手助けになります
ゲインリダクションメーターの種類
ゲインリダクションのメーターには大きく分けて3つ種類があります。
<針式>
針がワイパーのように動くメーター。
人間の耳に近い動きをするので、メーターには針式がよく使われます。
ハードウェアのコンプは針式が多く、プラグインソフトでも針式を再現しているものが多いです。
<デジタルメーター>
プラグインソフトでよく使われるメーター。
反応がよくピークも教えてくれるので、より正確で安心感があります。
<LEDメーター>
緑や赤などランプの色の変化でチェックするメーター。
ハードウェアにこのタイプもよくあります。
ギターなどのコンパクトエフェクターには、ゲインリダクションのメーターはほとんど付いていませんが、LEDメーターでチェックできるものもあります。
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「ピック」音響専門学校で勉強した音楽用語161
ピック(Pick)
弦楽器の音を出すために引っ掛ける道具のことをいいます。
ギター、ベース、マンドリン、バンジョー、琴、などの弦楽器は指かピックを使って音を出します。
ピアノの前進楽器であるチェンバロ(ハープシコード)は鍵盤を押して弦をピックで弾いて音を出します。
イギリス英語では「プレクトラム」(plectrum)といいます。
チェンバロなどに使用されているピックはプレクトラムと表記することが多いです。
持って演奏するピックには、指につけるタイプと持つタイプがあります。
形も硬さもさまざまで、使う人、用途にあったタイプを選べます。
楽器にあったピックの種類
エレキのベースやギターのピックは、親指と人差し指で持って演奏するのが一般的ですが、ピックには指につけるタイプの「フィンガーピック」もあります。
アコースティックギター、バンジョー、スチールギターなど、「親指」「人差し指」「中指」「薬指」に付けて演奏する時があります。
特に親指につけるフィンガーピックを「サムピック」といい、ギターではとてもよく使われます。
エレキギターでサムピックを使う人もいます。
ベース・ギターピックの硬さと形
エレキベース・ギターのピックは、いろいろな種類の「形」「硬さ」「素材」があります。
<形>
一般的によく使われる形が、二等辺三角形の角が丸い「ティアドロップ型」ですが、大きめの正三角形の「トライアングル型」や「ホームベース型」「円形型」のものもあります。
ベーズやアコースティックギターを弾き語りする人は、大きめの「トライアングル型」を選ぶ人がよくいます。
速弾きをする人は小さめのものを好みます。
<硬さ>
ピックの硬さによって音質や弾き心地も変わってきます。
よく使用される厚さは、「0.5mm」から「1.5mm」くらいで、それ以上の分厚いものもあります。
アコースティックギターでストローク中心で弾く人は柔らかめのピックを使用する人が多く、エレキギターで速弾きする人は固めのものを選びます。
ベースは固すぎても弾きにくいし、柔らかすぎても良い音が出ません。
ベースは少し固めの1mmくらいを使い人が多いです。
<素材>
一般的に昔からよくあるピックの素材は「セルロイド」です。
少し高価ですが、丈夫で音もクリアな音質の「べっ甲」素材のピックもあります。
アコースティックギターの綺麗な音と「べっ甲」は相性が良いです。
そのほか高音が強調される「金属製」の素材などもあります。
・・上記のもの以外の素材や形もたくさんあります。・・
「デシベル」音響専門学校で勉強した音楽用語160
デシベル(Decibel)
音の強さ、音圧の大きさを表した単位のことをいいます。
音圧の絶対値をそのまま表すと、表記がむずかしいくらい桁の差があるので、対数比で表したものがデシベルです。
ベルという電話の電力転送の単位を、1/10で表記してデシベルと表します。
1リットルが10デシリットルと同じで、1ベルが10デシベルになります。
しかし、ベルで表記すると小数点がこまかくなるので、デシベルで表記するのが標準になっています。
DAWでは音量を調整するフェーダーやプラグインのゲインなど、「dB」という単位で表記されています。
正確には「dB SPL」ですが、表記する時は一般的にSPLは省略されます。
ライブなどの音響もデシベルの単位でやりとりをして調整していきます。
音楽業界の作業では、デシベルがとても関わってきます。
デシベルの計算
デシベルと音圧の関係を見ると、すごくむずかしい計算式が出てきますが、ポイントだけ押さえておくと、DAWで作業している時に感覚がわかって便利です。
デシベルと音圧の倍率は「20dBが10倍」そこから20dB増えるごとに「40dBが100倍」「60dBが1000倍」‥と桁が増えていきます。
単純にデシベルの上がる倍率が、音圧の上がる倍率と同じというわけではないということです。
そして、DTMではよく基準にされるのが「1dBが約1.1倍」「6dBが約2倍」「12dBが約4倍」という音圧の比率になります。
6dB上げると、音圧は2倍にもなっているということです。
0dB 1倍
1dB 約1.1倍
6dB 約2倍
10dB 約3倍
12dB 約4倍
14dB 約5倍
20dB 10倍
30dB 約30倍
40dB 100倍
60dB 1000倍
80dB 10000倍
DAWの中の「dB」
DAWの中で一番デシベルが関わってくるのが、各トラックのフェーダーです。
トラックの最終的な音量をデシベルの上げ下げで調整します。
次に関わってくるのが、イコライザーです。
各周波数をデシベルで調整して音を作ります。
「1kHzあたりを何デシベルか上げてブーストさせる」や「400Hzあたりのモコモコしたところを何デシベルか下げる」など、イコライザーを触る時はデシベルの感覚が必要になります。
あとはエフェクトやアンプなどのゲインなど、ほかにもデシベルで表されるパラメーターはたくさんあります。
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「トレモロ」音響専門学校で勉強した音楽用語159
トレモロ(Tremolo)
音量を一定のテンポで変化させるエフェクトのことをいいます。
トレモロのエフェクターは古くからあり、音作りをするとビンテージ感が漂ってきます。
FenderやVoxのアンプにはトレモロが内蔵されているものもあります。
系統に分けるとモジュレーション系のエフェクターですが、空間系という人もいます。
そして、トレモロというと楽器の奏法にトレモロ奏法という演奏方法があります。
単音あるいは複数音を素早く連続で音を出す奏法で、「ピアノ」「バイオリン」「マンドリン」「ギター」「クラシックギター」など、それぞれの奏法があります。
トレモロエフェクトの使い方
トレモロのエフェクト効果は一定のリズムで「音を小さくして戻す」が繰り返されます。
リズムの動きがオシレーターのように「サイン波」「三角波」「矩形波」があり、選ぶ波形によって音の質感が変わってきます。
薄くかけると雰囲気のある気持ちの良い音色になり、矩形波で思いっきりかけると「ガッガッガッ・・」とザク切りしたマシンガンのような攻撃的な音になります。
主要となるパラメーター
<RATE/SPEED>
変化の周期の速さを調整。
プラグインではテンポにシンクできるものもあります。
<DEPTH>
音量の差を調整。
これを大きくすると変化が分かりやすくなります。
<WAVE/LFO>
波形を調整。
鋭くしたり柔らかくすることができます。
トレモロとビブラートの違い
トレモロとビブラートの効果は、どちらも音が揺れるというイメージですが効果は違います。
トレモロが音量差の揺れに対して、ビブラートはピッチの揺れです。
エレキギターには音を小刻みに変化させられるアームが付いているものがあります。
このアームはビブラートやチョーキングのような効果を付けることができますが、名前が「トレモロアーム」といいます。
シューゲイザーのギター音色作り
90年代の始め、シューゲイザーというブリティッシュロックのスタイルが流行しました。
ギターのフィードバックやノイズで音を埋めて、さらにトレモロなどモジュレーション系のエフェクトをかけて世界観を作り上げます。
代表的なバンドに「My Bloody Valentine」や「Ride」などがいますが、のちにシューゲイザーに影響を受けた日本バンドもたくさん出てきます。
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「エンジニア」音響専門学校で勉強した音楽用語158
エンジニア(Engineer)
お仕事それぞれに関わる専門の技術士のことをいいます。
エンジニアといえば、システムエンジニアやITエンジニアなどが、よく耳にすると思いますが、音楽業界ではレコーディングエンジニア、マスタリングエンジニア、PAエンジニアなど、それぞれの分野でエンジニアはいます。
特にアルバムレコーディングに入るとレコーディングエンジニアと長く時間を共にしながらアルバムを作り、ツアーになるとPAエンジニアと共に全国各地でライブをするので、とても信頼関係が深くなります。
プロの世界では、こういったそれぞれのスペシャリストがひとつになって、アーティストという作品が作りだされていきます。
レコーディングエンジニアはそれぞれ独自の世界観を持っていて、名盤のアルバムにもエンジニアの腕によって左右されている作品はたくさんあります。
DTMの勉強をして上達するには、レコーディングエンジニアは重要な存在になります。
音楽業界のエンジニア
DTMの進化で、昔と比べて今ではいろんなことができてしまいますが、音楽には「曲を聴かせる」「ライブを観せる」など、いろんなアートの形があります。
そのそれぞれの分野でスペシャリストのエンジニアがいます。
<レコーディング・エンジニア>(サウンド・エンジニア)
レコーディングの音をミキサー(卓)ですべて操るエンジニア。
「音を録る」「音を調整する」この2つを、たくさんの機材と知識でコントロールしてくれます。
ミックス(トラックダウン)をして、2mixまで作ってくれます。
<マスタリング・エンジニア>
マスタリングに特化した技術を持つエンジニア。
レコーディングエンジニアとは違う知識・技術が必要になります。
マスタリングスタジオで最終的な調整をしてくれます。
<PA・エンジニア>
ライブ会場ですべての音を集めて、ミキサーを操るエンジニア。
こちらもレコーディングエンジニアとは違い、会場によって調整の仕方が変わるので、現場経験が必要になります。
メインスピーカー、モニタースピーカーからバランスの良い音が出るように調整してくれます。
<アシスタント・エンジニア>
エンジニアさんを補佐するアシスタント。
レコーディングスタジオでの作業はマイクのセッティングをしながら音のチェックをしたり、録音後の音を調整しながら「再生」「停止」「巻き戻し」など、常にエンジニアさんの指示で動いています。
<照明・エンジニア>
会場に合わせて照明位置やライティング効果を調整するエンジニア。
ライブでの照明の演出はとても重要です。
楽曲を理解してセンスの良い照明効果で会場を盛り上げてくれます。
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