「ディレイ」音響専門学校で勉強した音楽用語57
ディレイ(Delay)
反響音を作り出し、反復させるエフェクターのことをいいます。
DTMではエフェクターのことを指す場合が多いですが、一般には「遅れ」や「延ばす」などの意味があります。
リバーブと共に「空間系」と呼ばれ、比較されることが多いですが、リバーブは「残響音」の調整で、ディレイは「反響音」の調整です。
大きく分けて「デジタルディレイ」と「アナログディレイ」に分かれていて、作られる反響音が違いますがどちらにもメリットはあります。
ディレイは特にギターリストによく使われます。
空間を彩(いろど)る、とても重要なエフェクターです。
ディレイのパラメーター
ディレイのパラメーターで重要な項目をいくつか説明します。
<Delay Time>
反復する音と音の感覚を調整します。
コンパクトエフェクターなど、msec(1000msec=1秒)で設定するものが多いですが、DAW上では音符の長さで設定することができます。
「1/4」「1/4T」「1/4D」
「1/8」「1/8T」「1/8D」‥のような設定ができます。
「1/4」は四分音符の間隔で反復され、「T」がつくと3蓮符、「D」がつくと付点音符の長さになります。
<Feedback>
反復する音をどこまで聴かせるか、どれだけくり返すかを設定します。
<Mix>
ディレイ音のレベルを調整します。
デジタルディレイとアナログディレイ
「デジタルディレイ」と「アナログディレイ」は音作りに影響するので覚えておいたほうが良い点です。
<デジタルディレイ>
デジタルで作り出す反響音は、反復され続けても劣化することなく音がくり返されます。
現代ロックやメタルなど、音がクッキリしているジャンルには空間を埋める音作りに合っています。
音の劣化がないため、ルーパーとしても使用することができます。
<アナログディレイ>
BBD(Bucket Brigade Device)素子を使って音をバケツリレーのように反復させていきます。
デジタルと違い、反響音が徐々に劣化していきます。
劣化というとあまり良いイメージではないですが、楽曲に馴染みながら音が減衰(げんすい)していくので、アナログ感のある心地よいディレイを作ることができます。
<テープエコー>
上記の他に、「テープエコー」と分類されるディレイがあります。
これはテープレコーディング時代にテープの磁気を利用し、スピードの変化などでディレイを作り出すもので、現在でもたくさんのテープエコーシュミレートのプラグインがあります。
独特なアナログ感、サチュレーションを得ることができ、DTMでとても良く使われます。
ディレイ効果のパターン
ディレイの設定でいろいろな効果のパターンを作ることができます。
代表的なものをあげてみます。
<Ping Pong Delay>
左右にディレイ音を振って広がりを作ります。
飛び道具音としても効果的です。
<Short Delay>
短いディレイタイムで、部屋鳴りのような空間を作ります。
ギターなど、おしゃれな音感になります。
<Long Delay>
長いディレイタイムで、カラオケのエコーのような空間を作ります。
「やまびこ」もこの部類のディレイです。
<Doubling>
非常に短いディレイタイムでダブリング効果を作ります。
音を太くする効果もあり、いろんな楽器に使えます。
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