「グルーヴ」音響専門学校で勉強した音楽用語64
グルーヴ(groove)
リズムがピッタリの間隔で音が鳴っているのではなく、ズレ(溜め)から生じられる波、うねりがあるリズムのことをいいます。
しかしこれは人によって、定義(ていぎ)が曖昧(あいまい)で、正解がありません。
曲のノリ自体をグルーヴという人もいます。
拍を溜めること自体をグルーヴという人もいます。
息のあったアンサンブルの一体感をグルーヴという人もいます。
打ち込んだ正確なリズムでも「この空間にグルーヴがある」なんていう人もいます。
一般的によく言われるのは、やはりズレ(溜め)から生じられるうねりのリズムで、2拍と4拍が溜まって(8ビートでいうスネアのタイミング)グルーヴを生み出すといわれます。
もっと細かくわけて16ビート・16シャッフルでグルグルうねらせる、これもグルーヴです。
もっと言ってしまえば、音の強弱でうねらせる、これもグルーヴを感じさせる要因にもなります。
こういったリズムの抑揚で心を動かされる、これがグルーヴです。
ジャズ、ファンク、ソウル、レゲエといったブラックミュージックのルーツにある音楽にグルーヴをよく使われます。
HIP HOPでもグルーヴのあるリズムを積極的に作ってループさせ、心が踊るリズムをの上で歌を表現します。
形容詞で、グルーヴィーという使い方もします。
アンサンブルのグルーヴ
グルーヴはリズムにだけ焦点(しょうてん)を当てるのではなく、冒頭で書いたようにバンドのアンサンンブルでも使われます。
「このバンドサウンドにはグルーヴがある」といった使われ方をします。
呼吸の合ったリズムが一丸となって、うねりになって生まれたサウンドにグルーヴが宿るのだと思います。
みんなで一丸となるためには「せーのっ」とか「よいしょっ」といった掛け声で息を合わせます。
まさにこの「せーのっ」とか「よいしょっ」がグルーヴです。
これがうねりを生み出します。
8ビートに合わせて「せーのっ」「よいしょっ」と口に出すと、自然とグルーヴが生まれてきます。
ループのリズム
HIP-HOPなど、ドラムのループ素材を使うジャンルは、わざとすごくタメを作った小節をループさせて、独特なタイム感とノリを作ります。
グルーヴ感のあるリズムの上でメッセージ性のある言葉を乗せて、かっこいい雰囲気を作るというのが主流になっています。
持って生まれたグルーヴ感
技術的に上手い下手はありますが、そのなかでもこのグルーヴ感というのは、持っている人と持っていない人に分かれます。
初心者の人でもキックとスネアを叩くだけで、良いグルーヴ感を感じる人もいます。
運動神経の良い人はドラムが上手いというのは有名な話ですが、それはグルーヴ感を体に持っていて、スポーツをしてもパワーが躍動していくのだと思います。
ブラックミュージックにグルーヴ感を感じられる音楽が多いのは、その人たちに生まれ持ったすごい能力の体感があるのだと思います。
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