「循環コード」音響専門学校で勉強した音楽用語55
循環コード(Circulation_code)
コード進行のなかで安定、不安定を通り、元に戻って繰り返すことのできるコード進行のことをいいます。
3つ、4つのコードの繰り返しでループができるコード進行です。
調(key)のなかでトニック(安定)、ドミナント(不安定)、サブドミナント(安定と不安定の間)を使って循環コードを組み立てます。
この安定と不安定を作ることによって生み出される波のような流れが、楽曲の推進力(すいしんりょく)を作り出します。
循環コードの説明
循環コードは、いくつかパターンはありますが、有名なのが
「1 – 6 – 2 – 5」です。
こちらを例にして説明していきます。
調(key)のは一番わかりやすい「C」とします。
数字は度数を表しています。
コードは調(key)に沿ったダイアトニックコードです。
1 = 「C」(トニック)
2 = 「Dm」(サブドミナントの平行調)
3 = 「Em」(ドミナントの平行調、トニックの代用にも)
4 = 「F」(サブドミナント)
5 = 「G」(ドミナント)
6 = 「Am」(トニックの平行調)
7 = 「Bm-5」(ドミナントの代用にも)
先ほどの
「1 – 6 – 2 – 5」
に合わせていくと
C – Am – Dm – G
となります。
循環コードなのでこれをくり返して曲に取り入れることができます。
1 – 6 – 2 – 5 – 1 – 6 – 2 – 5 – 1 – 6 – 2 – 5 ‥‥
C – Am – Dm – G – C – Am – Dm – G – C – Am – Dm – G ‥‥
「T」「D」「S」
そして、循環コードを表す時、大きく3つに分けて表してみます。
「T」= トニック系
「D」= ドミナント系
「S」= サブドミナント系
これを「1 – 6 – 2 – 5」に当てはめると
「T – T – S – D」になります。
ここで冒頭に説明したトニック(安定)、ドミナント(不安定)、サブドミナント(安定と不安定の間)に置き換えると
安定 – 安定 – 間 – 不安定
波形にすると安定から徐々に不安定に向かって、一気に安定に戻る。
これのくり返しで感情のグルーブが推進していくというわけです。
「T – T – S – D」にコードを合わせて
「C – C – F – G」に変えても循環コードになります。
いろんな循環コード
「1 – 6 – 2 – 5」のほかにも、循環コードはたくさんあります。いくつか例を上げてみます。
1 – 5 – 6 – 4「T – D – T – S」タイプ
C – G – Am – F(Am – G – C – F)
1 – 2 – 5 – 6「T – S – D – T」タイプ
C – Dm – G – Am(Am – F – G – C)
6 – 5 – 4 – 1「T – D – S – T」タイプ
Am – G – F – C(C – G – Dm – Am)
1 – 5 – 1 – 4「T – S – T – D」タイプ
C – F – C – G(Am – Dm – C – G)
など、組み合わせはたくさんあります。
逆循環コード
循環コードの一種ですが、トニック以外のコードから始まる循環コードを「逆循環コード」といいます。
安定から波を作るのではなく、不安定から波を作り出して哀愁感を推進させることができます。
「1 – 6 – 2 – 5」
で説明すると、スタートポイントを途中からにして
2 – 5 – 1 – 6「S – D – T – T」
Dm – G – C – Am(F – G – Em – Am)
(Emはトニックの代用として使われることがあります。)
になります。
これらは「王道進行」と呼ばれるものが多く、読んで字のごとく、世界中でジャンルを問わず大変良く使われます。
この逆循環コードを組み合わせると、たくさんの循環コードができます。
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