「チューニング」音響専門学校で勉強した音楽用語71
チューニング(tuning)
音の高さ(音高、ピッチ)を合わせることをいいます。
調律、調弦ともいいます。
音楽以外でもラジオのチューニングを合わせるという使い方をしますが、こちらは電波の周波数を合わせる時に使います。
演奏者みんなが同じ高さにチューニングをして、音のあったアンサンブルの演奏をすることができます。
ギター、ベースを弾いている人、バイオリン奏者の方もチューニングをする時に「A=440Hz」や「A=442Hz」という数値を見たことがあると思います。
これは「A」(ラ)を「440Hz」「442Hz」に周波数を合わせてチューニングするということです。
時代、ジャンルによって違うチューニングの基準
現代の音楽の世界基準は「A=440Hz」になっています。
しかし、時代や演奏状況によってチューニングの基準が変わってきます。
世界中で流れるロックやポップスなどは、たいていこの「A=440Hz」で合わせてありますが、他の周波数でチューニングを合わせることもあります。
ミュージシャンによっては「A=441Hz」チューニングを好む人もたくさん出てきています。
現代のオーケストラは少しきらびやかに聴かせるために、基本「A=442Hz」で合わせますが「446Hz」という高さで合わせることもあります。
オーケストラ全体のチューニングは、響きやすいオーボエなどの楽器が「A」(ラ)の音を出して、それに合わせてみんなが徐々に合わせていくというチューニングの仕方をしています。
学校の部活などで聴こえてくる吹奏楽のチューニングもそのようなに、全体で音を合わせていきます。
過去にさかのぼると、バロック音楽時代の「A=415Hz」から始まり、時代とともに425Hz、432Hz、438Hzと様々な基準で作られてきました。
その中で「A=432Hz」のチューニングが数値的に一番きれいにまとまり、人間の耳にも心地よいと言われています。
いろんな楽器のチューニングの仕方
チューニングは基本的に弦楽器の弦をチューニングします。
ピアノも定期的に職人さんにお願いしてチューニング(調律)しますが、かなりの技術、知識が必要です。
弦は基本的に細い弦から1弦・2弦‥と続いていきます。
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まずはDTMで身近なギターから説明します。
一般的な基本のチューニングのほかに6弦の音を低くするドロップチューニングやスライドギター(ボトルネック奏法)で演奏する時に「オープンチューニング」にして演奏をすることもあります。
<ギターのチューニング(ノーマル)>
1弦・・・「E」(ミ)
2弦・・・「B」(シ)
3弦・・・「G」(ソ)
4弦・・・「D」(レ)
5弦・・・「A」(ラ)
6弦・・・「E」(ミ)
<ギターのチューニング(オープンG)>
1弦・・・「D」(レ)
2弦・・・「B」(シ)
3弦・・・「G」(ソ)
4弦・・・「D」(レ)
5弦・・・「G」(ソ)
6弦・・・「D」(レ)
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ベースは太い弦からギターと同じ間隔で合わせていきます。
一般的にはベースは4弦ですが、5弦ベースを扱う場合は5弦目を低い「B」に合わせます。
<ベースのチューニング>
1弦・・・「G」(ソ)
2弦・・・「D」(レ)
3弦・・・「A」(ラ)
4弦・・・「E」(ミ)
5弦・・・「B」(シ)
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バイオリンは人の声に近い音色と言われていて、チューニングもシビアになってきます。
弦それぞれの音階の音で「E線」「G線」という呼ばれ方をします。
バッハの有名な曲で「G線上のアリア」という曲がありますが、この曲はG線(4弦)だけで弾けるという遊び心のある曲です。
<バイオリンのチューニング>
1弦・・・「E」(ミ)E線
2弦・・・「A」(ラ)A線
3弦・・・「D」(レ)D線
4弦・・・「G」(ソ)G線
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ウクレレは少し弦の配置が違っていて、一番高い音が1弦の「A」(ラ)で、次に高い音が4弦の「G」(ソ)の音になります。
一番低い音が3弦の「C」(ド)の音になります。
<ウクレレのチューニング>
1弦・・・「A」(ラ)
2弦・・・「E」(ミ)
3弦・・・「C」(ド)
4弦・・・「G」(ソ)
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チューニングは音の低い方ところから、ペグを回して上げながら、弦を巻きつけながら合わせていくのが基本です。
下げながらチューニングすると、巻きつけの遊び部分が緩(ゆる)んできて、チューニングが狂いやすくなります。
打楽器のチューニング
ドラムのような打楽器系でもチューニングは行われます。
ヘッドの張り具合を調節して音を高くしたり低くしたりします。
ドラムはチューニングキーという工具で調節していきます。
バンド演奏で合わせる時はドラムのチューニングはかなり重要になってきます。
特にスネアは曲に合わせて、必ず音の高さをチューニングします。
キックも音を作り込む段階でチューニングは積極的に行います。
シンバルも音の高さで曲が展開した時の世界観が変わってくるので、とても効果的に使えます。
シンバルは、シンバル自体を音の高いものに変更するといった合わせ方をするので、シンバルがたくさんある環境じゃないとむずかしいかもしれませんが、プラグインのソフトで打楽器のチューニングを調整できるものもあります。(waves 「Torque」など)
ドラム音源ソフトだとシンバルのチューニングができるものもあるので、曲に合わせて積極的に使うことをオススメします。
いろんなチューナー
チューニングをするためにみんな機材、道具を使います。
ギターやベースの場合は一般的にシールドをつなぐタイプのチューナーで、弦を一本ずつ合わせていきます。
アコースティックギターやウクレレなど、シールドを使わない楽器にはマイク付きのチューナーか、ヘッドに挟むクリップ式のチューナーで弦を一本ずつ合わせていきます。
アコースティックギターのサウンドホールにつけるタイプもあリます。
バイオリン、ピアノを含む全体の楽器で使われるのが音叉(おんさ)で、基準の「A」の音を出して合わせて、それを基準にすべての弦を合わせていくのが一般的です。
アカペラの歌をみんなで合わせる時も、この音叉を使って音高を統一します。
調子笛(ピッチパイプ)で、バイオリン、ウクレレ、ギターなど専用のものもあり、弦を一本ずつ合わせていきます。
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