DTMお役立ち音楽用語

今さら聞けない音楽用語を簡単説明します。

「ローファイ」音響専門学校で勉強した音楽用語111

ローファイ(Lo-Fi)

実際の音より低音質にしたサウンドのことをいいます。

対義語は、ハイファイ(Hi-Fi)といい高音質を意味しますが、こちらはテレビビデオでよく使われる言葉なので、ハイファイサウンドという言葉の方が聞き馴染みがあると思います。
しかし、ローファイといっても単に「音が悪い」ということではなく、高音質ではない音質にするカッコよさ価値観があります。

ローファイサウンドを活かしたジャンルもたくさんあり、現在の音楽、そしてたくさんのミュージシャンにも愛され続けています。

ローファイサウンドの作り方

昔のかっこいいサウンドを作りたい時、全く同じ環境、同じ機材で録音すれば、すごく近い音でレコーディングできるかもしれませんが、なかなかそうもいきません。

DTMでは機材プラグインを使って、ローファイサウンドの作り方法はいくつかあります。

<サチュレーター>
ローファイサウンドの良さといえば、ひとつは中域に偏った少し歪んだサウンドです。
サチュレーターにはいろんなタイプがありますが、思いっきりかければローファイサウンドが作れます。
ディストーションなどの歪み系のプラグインも、いろんな楽器をローファイサウンドにすることができます。

ハードウェアもサチュレーション効果を作れるものはたくさんあります。
実機でのサチュレーション効果は、やはりプラグインソフトでは作れない質感があります。アナログテープで録音した質感が作れるテープシュミレーターなどもあります。

 

<ビットクラッシャー>
ビットデプスやサンプルレートの解像度を下げるエフェクターで、荒々しくザラついたサウンドを作ることができます。
解像度を8ビットに下げると「ファミコン」のような、いわゆるゲームサウンドを作ることもできます。
音の解像度を下げることを「ダウンサンプリング」といいます。
さまざまな楽器に効果的ですが、ドラムに使用するとわかりやすく効果が出ます。
キックに使うと攻撃的なサウンドになり、EDMなどキックを強調するジャンルでは、積極的に使用されます。
スネアに使っても荒々しい感じがサウンドにフィットして、とても心地よく効果的です。
キット全体にかけると、歪んだアンビエント感が出て、金物系にも強く変化をもたらせます。

 

一世を風靡したAKAIの「MPC2000」のような古いサンプラーにサンプリングして、解像度を落として音作りをするという方法もあります。

 

その他のローファイサウンド

ほかにもたくさんローファイサウンドにするエフェクターはたくさんあります。
コンプで思いっきり圧迫させて歪ませれば、機材によっては独特コンプ感のあるローファイサウンドが作れたり、アナログディレイテープエコーを使ってビンテージ感のあるローファイサウンドを作ったり、フィルターを使ってバンドパスフィルターをかければ、ローファイ雰囲気を作ることもできます。
ローインピーダンス機材を通して、強引にローファイサウンドを作るという方法もあります。

ローファイを活かしたジャンル

80年代あたりからハイファイサウンドが主流になっていくなか、ジャンルによってローファイサウンドは、すたれることなく流行り続けています。
各国の文化とともに「アンダーグランド」や「インディーロック」のオルタナティブロックでは、ローファイサウンドを存分に活かした音楽が作られています。
HIP-HOPの世界でも、ジャズファンクの古いサウンドサンプリングして楽曲を作る「Lo-Fi HIP-HOP」というジャンルが確立しています。
ハウリングノイズを多用する「ノイズロック」というジャンルローファイサウンドを取り入れています。

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