「ファンタム電源」音響専門学校で勉強した音楽用語145
ファンタム電源(Phantom power)
電源供給が必要な機材に送るための電源のことをいいます。
オーディオインターフェイスやマイクプリアンプなどの機材に付いていて、コンデンサーマイクやアクティブのDI(ダイレクトボックス)など、電源がないと使用できない機材はファンタム電源で電源を供給して使用することができます。
電源を供給するパワーサプライも、ファンタム電源を送ることができます。
電圧は12V〜48Vなどがありますが、DTMでよく使われる機材には48Vが標準です。
弱くて見えにくい電圧というところから「幻」「幽霊」のような意味の「ファンタム」という名が付けられています。
マイクに使われる3ピンのキャノンケーブルを使って電源を供給することができます。
ギターやベースに使われるシールドケーブルでは電源を送ることができません。
コンデンサーマイク
DTMをしていてファンタム電源を使う場面が多いのが「コンデンサーマイク」を使うときだと思います。
コンデンサーマイクは電源供給がないと反応しません。
ダイナミクスマイクとの構造の違いを見れば、電源が必要なことがわかります。
コンデンサーマイクを使用するときは必ず、電源供給のできるキャノンケーブルを使用します。
<コンデンサーマイク>
マイクケーブルを通して電源供給し、2枚の金属板に電圧をかけて振動を感知させ、電気信号に変える。
<ダイナミクスマイク>
磁石とコイルによって作られていて、振動板から伝わった振動をコイルによって電気信号に変える。
ダイレクトボックス(DI)
ライブ会場などでは、ダイレクトボックス(DI)を通してインピーダンスを合わせてPAに音信号を送ります。
DIはコンパクトエフェクターのように「ハイ受けロー出し」ができます。
トランスを内蔵しただけの電源不要のDIの「パッシブタイプ」のDIと、電源を必要とする「アクティブタイプ」の2種類あります。
アクティブタイプの電源は、電池あるいはファンタム電源が必要になります。
エレキギターのようなインピーダンスの高いものは「アクティブタイプ」を使用するので、ライブ会場でもよく見かけます。
ファンタム電源の取り扱い注意
DTMをやっていく上でファンタム電源を取り扱うことは多いのですが、使用方法を間違えると機材を痛めてしまいます。
正しい抜き挿しの順番とタイミングで作業を進めていきましょう。
<スピーカーを痛めないために>
ケーブルをつないだ状態でファンタム電源をオンにすると「ボンッ」という、スピーカーにとってイヤな音が鳴ってしまいます。
これはスピーカーにかなりのダメージを与えてしまうので、必ず音量を絞るかオフにした状態でファンタム電源のオンオフをします。
<マイクを痛めないために>
ファンタム電源をオフにしてすぐにケーブルを抜いてしまうと、マイクを痛めてしまいます。
オフにした直後は少し電圧が残っているので、オフにしてからの抜き差しは、ひと呼吸おいてからするようにします。
間違えてダイナミクスのマイクにファンタム電源を入れてしまうと、マイクにダメージを与えてしまうので注意が必要です。
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