「マニピュレーター」音響専門学校で勉強した音楽用語90
マニピュレーター(Manipulator)
電子楽器の音作り、プログラミングをする人のことをいいます。
バンドに電子音楽を取り入れることをマニピュレーションといい、それを行う人です。
専門知識がかなりある人でないと勤まりません。
レコーディングだけではなく、ライブでも活躍します。
ステージ横ではなく、ステージ上に乗ってパフォーマンスをするマニピュレーターもたくさんいます。
「シンセプログラマー」「サウンドクリエーター」とも呼ばれます。
マニピュレーターのお仕事
音楽にパソコンを取り入れ始めた頃は、ちゃんと音作りをして連動させて音を出すというプログラムを出来る人が貴重な存在でした。
今ではDTMの普及によってマニピュレーション出来る人はたくさんいます。
「ドラム、ベース、ギター、ボーカル、この4人の音だけで作品を作る」という作品でも、現在のレコーディングではパソコンが重要な存在になっているので、専門的に詳しい人がいると安心してレコーディングできます。
レコーディング現場で働く人々
マニピュレーターも含めて改めてレコーディングの現場で働く方々の役割を紹介をします。
今までたくさんレコーディングのしてきた僕の経験を元に記事にしてみます。
<エンジニア>
レコーディングの音をミキサー(卓)ですべて操る中心的な人。
「音を録る」「音を調整する」この2つを、たくさんの機材と知識でコントロールしてくれます。
ミックス(トラックダウン)をして、2mixまで作ってくれます。
エンジニアアシスタント
エンジニアさんはやることがたくさんあります。
マイクのセッティングをしながら音のチェックをしたり、録音後の音を調整しながら「再生」「停止」「巻き戻し」など、とても一人でこなすのは大変です。
常にエンジニアさんの指示で動いています。
オペの医師と助手のような関係です。
<プロデューサー>
レコーディングのコンセプト、音造り、OKテイクなど作品の全てに関わってくる人。
アーティストにとても近く、メンバーではないリーダーといったところです。
<ディレクター>
レコーディング全体の進行やOKテイクなど、監督の位置の人。
CDをリリースするという目的でのレコーディングであれば、必然的にレコード会社の人がディレクションをとります。
<マニピュレーター>
電子楽器の音作り、プログラミングをする人。
専門知識がかなりある人で、プロデューサーに「こんな音を入れたい」と言われるとその場でいろんなアイデアを出してくれます。
<アレンジャー>
楽曲のフレーズや全体の展開など、アイデアを出してくれる人。
特にストリングスやブラスなどのアレンジは専門的な知識が必要です。
レコーディングの前の段階でメンバーとイメージを固めていきます。
<サウンドアドバイザー>
ギター、ベースの音作りとフレーズのアドバイスをしてくれる人。
各パートの専門の人なので、マンツーマンでアドバイスをくれます。
そのパートの録音の時は付きっきりで指示をします。
<ローディー>
アーティストの補佐を徹底的にする人。
セッティングはもちろん、チューニングまでする人もいます。
<レコード会社のスタッフ>
主にレコーディングに関してのスケジュールを管理してくれます。
レコーディングに関しての発注や必要なものがあれば、レコード会社のスタッフが協力してくれます。
<事務所のスタッフ>
主にアーティストに関してのスケジュールを管理してくれます。
アーティストのマネージメントをしてくれます。
<アーティスト>
作品の顔となるメンバー。
すべてはこの人たちの作品を、より良い状態でたくさんの人に聴いてもらうために作るレコーディングです。
こんなにたくさんの人がレコーディングに関わり、作品が出来上がります。
この役割を理解するとDTMにも役立ちます。
そして今回紹介した「マニピュレーター」は、プログラミングなどはパソコンで行うので、DTMにもとても詳しい人ばかりです。
有名なマニピュレーター
日本でとても有名なマニピュレーターに松武秀樹さんがいます。
イエロー・マジック・オーケストラ (YMO)の4人目のメンバーとまで呼ばれ、シンセの音作りに大きく貢献しました。
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