DTMお役立ち音楽用語

今さら聞けない音楽用語を簡単説明します。

「歪み」音響専門学校で勉強した音楽用語124

歪みDistortion

音楽では音信号レベルを越えるなど、正しい信号ではないときに発生するゆがみのことをいいます。

キレイな音とは反対の音ですが、この効果から独特なサウンドが作られ、これまでの音楽歴史に大きな影響を与えてきました。

アンプゲインを上げていくと、徐々に歪みが発生します。
エフェクター歪みを作り、アンプから歪んだ音出力する方法もあります。

ベース、オルガンなど、どんな楽器にも歪ませる効果を使いますが、歪みといったらやはりギターです。
歪んだギターロックにはもちろん、たくさんのジャンル音楽を支えてきました。

歪みの種類

歪みギターを大きく分けると「クランチ」「オーバードライブ」「ディストーション」「ファズ」に分けられます。
アンプクリーンギターとの調整で、いろんなタイプの歪んだ音が作られてきました。

クランチギター歪みギターというより、クリーンギターの部類に入りますが、比較対象として入れてみました。

<クリーン>(Clean)
アンプ本来の出力で、歪むことのない音。
すべての基本の音で、アンプの良し悪しに左右されることがあります。
コードのストロークアルペジオをキレイな音で奏でます。
アンプシミュレーターでクリーンの音色を作るのは非常に難しいです。

<クランチ>(Crunch
アンプのゲインを上げていき、少し歪み始めたくらいの音。
クリーンよりも倍音を含み音も共鳴するので、音の伸びが良くとても扱いやすい音色です。
ライブでは、アンプをクランチギターの設定のまま、ギター本体のボリュームを絞れば、そのままクリーンギターとして演奏できます。

<オーバードライブ>(Over Drive
アンプのゲインを上げていき、フルドライブ(フルテン)の状態の音。
中域の強さに乗った気持ちの良い歪みで、非常に使用頻度の高い歪みギターです。
ギターソロでも埋もれない強い音が作れます。
エフェクターでもオーバードライブはたくさんあります。

ディストーション>(Distortion
歪みのことを「ディストーション」というくらい、歪みといえば、という音。
ダイオードクリッピングさせて歪みを作り、歪み具合を上げれば小さな出力でもしっかり歪みます。
悪い意味ではないですが、ディストーションで歪ませるとダイナミクスがなくなり、音は引っ込んでしまいます。
ディストーションの中でも「RAT」は太くて荒々しいサウンドが作れます。
ジェフベックも愛用していたディストーションで、たくさんのギタリストが愛用しています。

<ファズ>(Fuzz)
歪み系の中では一番強くかかった音。
インピーダンスの違う入力で出したような、アンプが故障したような歪み方をします。
たくさんの倍音が含まれ、かけすぎるとコード感もわかりにくくなります。
オーバードライブやディストーションができる前に、歪み系の最初に作られたエフェクターです。
アンプをフルドライブさせた状態では物足りず、さらに歪みを起こさせるために作ったのがこのエフェクターです。
60年代、70年代に「Fuzz Face」「Big Muff」「Tone Bender」など、たくさんのファズが作られました。
ファズをかけた状態で、ギターの本体のボリューム調整で昔のロックギタリストはいろんな表現をしていました。

歪みギターの比較

歪みの種類の分け方に決まりはなく、境界線もありません。
メーカーによって歪みやすいオーバードライブや力強いディストーションやソフトなファズなど、さまざまなのでここと決めつけることはできませんが、「歪みの強さ」と「音の強さ」をイメージした表を作ってみました。
いろんなエフェクターを使用してきましたが、僕個人の感覚も入れて作っているので、あくまでも参考ということで。

歪み_図03

歪みはDTMで大活躍

ギター以外にもを歪ませることも多いです。
メガホンで叫んでいるような声質になり、ロックでは良く使われています。

ほかにも、ドラムベースキーボードにも、ただ歪ませてインパクのある音作りをするだけではなく、少し倍音を加えてを豊かにする場合にも非常に良く使われます。
特にドラムは厚みをつけるのに使ったり、金物系倍音を加えて生々しさを表現するために使ったりと、歪みを把握して扱えるようになると、音作りが少しパワーアップします。

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